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Another Story - PGSC in Akune

Another Story - PGSC in Akune

 PGSC in Karatsuが終わったのも束の間。実は水面下で並行して企画していた、別の場所でのPGSC。事の発端は、2月上旬。福岡にてハナイさん、ヒダさん、マークさんらが一堂に集まり開催されたアートショー「SEARCHING」でのこと。ピシャッとした空気感、高級感のある来場者、存在感を放つ作品たち。その中で唯一と言っていいほど、自分のニオイに近い家族連れの方が、声をかけてくれました。聞けば熊本在住、熊本市内でサーフショップをやっているとのことで、「雄太くんがこのアートショーに行くと聞いて、会いに来ました!」と、はつらつに伝えてくれたのが、タイチ君。横には奥様のミキさん。そして、3人の子供たち。いろいろな話も交わしましたが、結局はやっぱり一緒にサーフィンしましょう。サーフィンできたらいいですね。次のうねりのタイミングでーなんて話をして、その夜は解散しました。

 

 そうして、2月も下旬に差し掛かる頃。悪天候ではあったものの、福岡で波があがりそうだったので、タイチ君とミキさんと三男坊が来福することに。冷たい雨風と海水が染みるセッションでしたが、陸でぺちゃくちゃ話しながらお互いを探り合うよりも、海に入るのが手っ取り早いわけで。お互いのバイブを交換しあえるいい時間でした。その夜はせっかくなので、夜ご飯でも食べようとなり、いろいろ探したけれども、資さんうどんに着地。だだっ広い店内は少し肌寒く、海での冷えも抜けず。でもいろんな話をしました。聞けば年齢も近く、ご夫婦でサーフショップを運営されているとのこと。お子様も3人いますが、下二人は自分とこの子供とほぼ同年代で、親近感を抱かざるを得ず。まぁそりゃ夫婦でお店やってたら大変ですよねーなんた話しつつも、もしよければPGSCを一緒にやりたいとの打診があり、それなりに構想があるとのこと。熊本市内のサーファーは、いわば九州全体のうねりに敏感で、もちろん熊本であれば天草などがありますが、西うねりを拾う「あくね」というエリアがあるとのこと。あぁーその地名はなんか聞いたことがあるなぁ、と思っていたら、2年前に野北で入っていたロングボーダーに、「真冬のさむーい北西風の日には、どこにいくんですか?」って聞いてみたら、その「あくね」という地名が口からでていたような...そんな思い出を蘇らせつつ、 まぁ「あくね」なんて地名の響きは、そう多くもなさそうなので、タイチ君から聞いた時には、点と点がつながったような気分になりました。すごく綺麗で遠浅で...なんて言うもんだから、それはPGSCにモッテコイなわけで、じゃあひとまず企画してみましょう、と話が着地したのは資さんうどん名物のおはぎを食べ終わったあと。その日はそのまま解散しました。

 

後日、地元の先輩サーファーに聞いてみれば、「あくね」はめちゃ綺麗でいいとこよーの嵐。知らぬは俺だけかというレベル。でも写真や動画をみてしまうと、なんだかカンニングしている気分になるので、そこはイメージを膨らませつつ。言わば、「あくね」は東シナ海なわけで、もっと言えば鹿児島らしく、なかなかの僻地ではあるが、それでも九州のいろんなところからロングボーダーが集まっているらしい。東シナ海のうねりは読みづらく、波ありきでのPGSC開催を前提としていたため、なかなか開催に踏み切ることができず。太平洋や日本海とはまた違う海のリズムに驚き。タイチ君とあーでもないこーでもないのディスカッションを交わしつつ、なんとか3月吉日に開催できそうな気配があったので、急遽告知。それでもすぐにお問い合わせやお申し込み、さらにはご紹介などもいただき、無事に開催までこぎつけることができました。

 

 当日「あくね」に到着してみれば、そこは広くて大きい海岸線。その湾の端っこに、メローウなビーチブレイクが。材木座と深江を足して2で割れば、こんな感じかなーって想像してみたクオリティよりも若干上。なにより綺麗で美しい。そしてのんびりしている空気感。なるほど、これはみんな口々に綺麗だの最高だのスパたの言うわ、と思ったわけです。太平洋や日本海のそれとは違う。波長や地形。水の柔らかさや量。乗ってみれば、優しーい波質。ロングを楽しむならシャイコーなわけで。これまた楽しくクリニックを開催させていただきました。驚きだったのが、ビーチにいるみなさんがそれぞれ、ピシャッとした洋服に、ピシャッとした車。そしてサーフボードにウエットスーツ。(個人的にアツかったのは、スコットアンダーソンシェイプのDPモデルを拝見できたこと!! そげんよかボードをもっとんしゃーロガーがおるたぁ知らんかったばい。)洗練されている感がありました。あくねの町自体は過疎化が進んでいるわけですが、今回宿泊したグランピング施設は、ポイントの駐車場と併設しているし。海は資源、とはこのことですね。いろんなところから人を惹きつけるビーチがある街は、なんだかんだ交流が盛んになるんですね。いい勉強になりました。

 

 改めて、タイチ君ありがとう!そしてミキさんも、キッズたちも。お疲れ様でした。タイチ君とミキさんが営むサーフショップは「Soup. / スープ」。熊本市内にあるとのこと。今回は時間がタイトで寄れずじまいで、本当に申し訳なかったのですが、次回はぜひ訪れてみたいもの。また来年も開催できることを祈りつつ。行った方は感想をお聞かせくださいやし。